私は蘭キチ

 時々懇意になった知人から、貴方の趣味は何ですかと聞かれる。私にも色々趣味といえるものがいくつかあるにはあるが、大抵は「東洋蘭の栽培です」と答える。すると決まって異口同音に「あ〜、それは良いご趣味で羨ましいこと」といわれる。しかし、本当にそうゆう方々が東洋蘭、春蘭や寒蘭・尢磨E金稜辺などを識って言っているかというとそうではない。多分蘭は高くて難しくて、華やかに美しいという、カトレア・シンビ・デンドロなどといった一連の洋蘭を連想して言っているようである。そうゆう方々にワビ・サビ、そして香りも上品で、花型・色調全体の調和から、葉芸の素晴らしさなどを口で説いてみても、自分で栽培してみてその味を感得しなければ解ってはもらえないと思って、話はそれで途切れてしまう.
 しかし、最近は、この方は本当に草花がお好きなのだなと感ずる方には、蘭友が一人でも増えたらよいなあと期待して、花の咲いた株分けの一鉢を差し上げることにしている。

床の間に飾った蘭
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「らんキチ」ともなれば、春5−6月頃に一斉に吹き出してくる新芽がこの上なく楽しみである。どんな草木でも春になれば、新芽が出てくるのは当たり前で、可笑しいと思うでしょう。
 それが、こと蘭となるとそうではないのです。今年の新芽の色はどうかな、縞の斑入りの具合はどうかな、昨年よりも元気(精力)は上向いたかなといった、栽培の成果を心待ちして眺めるのである。6月の中過ぎになるのに、まだ新芽が土を切って出てこないと、気が気でなくなって、根元の土を楊枝でほじくって新芽の顔を探す有様である。「らんキチ」というのは本当に馬鹿ですね。
 「らんキチ」仲間ならでは解らないこの魅力を餌のして、デパートの東洋蘭売り場では、毎年今頃になると「新芽会」が催されて、買い手の気をそそるのである。
春 新芽が伸びてきた時の美しさは格別
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庭に咲いた蘭の花 
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